みなさまご機嫌いかがですか?
今回はお題が「ドラキュラ伯爵」でありまして、
「正月早々なぜホラー見なきゃいかんのだ。それもなぜドラキュラ?
日本広しといえども今これ見てる人はワタクシぐらいではないのか?」
とモチベーションの低い阿覧澄史あらんすみしです。
そういうわけでチャレンジなかなか進まず
ディズニープラスを契約した余波でピクサーのアニメばっかり見ております。
脚本が練ってあって面白い!)
今日も「ベイマックス」見て明らかに東京がモデルの風景に
「これは鶯谷だ」とか「芝浦あたりだな」とか喜んだり、
「インクレディブルファミリー」見て
「この聞き覚えのある声はソウル・グッドマン=ボブ・オデンカークだ」
と気づいて満更でもなかったりしてぐうたら過ごしております。
(どうも平和だねこりゃ…。)
ネトフリチャレンジ その72
「ドラキュラ伯爵」 2020年英
原作 ブラム・ストーカー
脚本 マーク・ゲイティス スティーヴン・モファット
監督 ジョニー・キャンベル デイモン・トーマス
ポール・マクギガン
出演 クレス・バング ドリー・ウエルズ ジョン・へファーマン
( 全3話 )
1897年ハンガリー。
修道院の一室で衰弱しきった様子で尋問されている
イギリス人の弁護士ハーカー氏。彼はドラキュラ伯爵の城に
幽閉された時の様子を尼僧・アガサに語っていく。
衰弱していくハーカーとは逆に日増しに若返る伯爵、
迷路のような城内に隠された死体
窓に残された「HELP US」の文字。
尋問は続き、アガサの言葉にハーカーは自分の置かれた状況を知る。
そしてその時、修道院にドラキュラ伯爵が現れるのだったー
ドラマは原作「吸血鬼ドラキュラ」に忠実に進んでいきます。
(読んでないけど多分そうだと思う)
古典的なゴシックホラーの様相でありまして、
舞台は重厚かつ古色蒼然としたドラキュラ城と修道院、
ドラキュラ伯爵自体も原作どおりに
・人の血を吸う
・昼間は棺桶で寝ている
・不死身 (心臓に杭を打たれないと死なない)
・十字架を恐れる
・ニンニクが嫌い
・日の光に当たると死ぬ
という古典的な吸血鬼の性質を忠実に満たしております。
(走り回るゾンビとか、十字架に耐性のある悪魔とか
ニュータイプのバケモノは出てこない)
つまり「なぜこんな古臭い怪奇映画を大真面目に作ったのかわからん」
という感じだったのでございますが
はじまって40分ぐらい、尼僧の正体がわかり(ネタバレだから言わない)、
ドラキュラと対決するあたりから一気に面白くなってくるのでございます。
(そこまでガマンして見ましょう…)
「どんでん返し」的な作劇上の企みがあちこちに用意されていて
油断してるとびっくりしたり(そのためだけに作ってるような気もするが…)
ある種のパロディと言えるような設定やセリフ回しがあって
ニヤリとさせられたり(ドラキュラが弁護士雇ったりする)、
2話目以降のラストも尼僧・アガサとドラキュラの対決が
クライマックスになっていてなかなか盛り上がります。
ワタクシ的には「アガサ」のキャラクターが面白いなあと
感心いたしました。
そういうわけで退屈な部分も結構あるので、それをガマンして見ると
なかなか面白い作品であると
みなさまにご推奨させていただく次第でございます。
さて次回、
「ネットフリックス公開作品はカンヌで賞をもらってもいいのか?」と
論争を巻き起こしたボン・ジュノ監督作品の映画「オクジャ」です。
(もう7〜8年前のハナシですけどね…)