
お暑うございます。長い長い夏休みを
享受しております阿覧澄史あらんすみしです。
(それはもはや夏休みじゃない!)
先日、図書館で「スターウォーズのすべて(Star
Wars Faq)」という本を借りて読んでおりました。
最初の映画3部作ぐらいまでのこぼれ話的な本
でありまして、その頃まではちゃんと映画館で
見ておりましたので興味深く、長い本ですが
一気に読んでしまいました。
ワタクシが知らなくて面白かった話は
・アレック・ギネスがやったベン・ケノービは
最初三船敏郎にオファーされたが、断られた
・一本めの映画(新たなる希望)を
ブライアン・デ・パルマが見て
ルーカス本人にクソミソに酷評したが、
その代わりかデ・パルマは
オープニングタイトルの文章を
ルーカスに代わって添削してくれた
・3作めの「ジェダイの復讐」(今ではNo6
「ジェダイの帰還」と呼ばれている)は
監督がデビット・リンチに決まりかけていた。
(フリークスなスターウォーズ?!)
でありました。
一日かけてそんな本を読んでいたら
消えていたスターウォーズ愛がふつふつと再燃し、
さらに夏休みという時期でもあるので
今回はディズニープラス配信中TVシリーズ
「キャシアン・アンドー」でございます。
May the force be with you!
<Disney+ 夏休みだからスターウォーズを見る?>
「キャシアン・アンドー 」
2022~2025年米(ルーカスフィルム)
脚本 トニー・ギルロイ ボー・ウィルニモン ほか
監督 トビー・ヘインズ ヤヌス・メッツ ほか
出演 ディエゴ・ルナ カイル・ソラー
ステラン・スカルスガード
(2シーズン 24話)
(あらすじ)
遠い昔、遥か彼方の銀河系でー。
(A long time ago,in a Galaxy far,far away)
(これはスターウォーズのお約束)
生き別れた妹を探していたしがないジャンク屋
アンドーは、帝国の工業惑星で保安用員を
殺してお尋ね者になってしまう。
逃亡を画策するアンドーを
帝国抵抗勢力の陰の大物ルーセンがスカウトし
帝国基地アルダーニ襲撃作戦に加える。
やがてアンドーはそれが運命であったかのように
反帝国のレジスタンス活動に加わり
革命の渦へと巻き込まれていく。
そしてその運命は
(映画「ローグワン」で実行される)
デススター設計図奪取作戦へと
続いていくのだったー
うお。このドラマ地味…
というかシブいというか、
「夏休みだからスターウォーズ!」なんて
喜んでいられないような作品でございます。
元々スターウォーズは
血湧き肉躍るスペースオペラ、
100%娯楽大作だったのでありますが
「キャシアン・アンドー」は
能天気なアクションとかあまりなく
ヨーロッパのレジスタンス映画のようなルックスと
気概を持つドラマでありました。
映画「ローグワン」の革命軍パイロット
キャシアン・アンドーが
レジスタンスに参加してから
「ローグワン」までの6年間の
帝国の圧政とレジスタンスの歴史を
丹念に描いていく構成で
「スターウォーズ」本編のルークやハンソロが
活躍した裏では、こんな暗闘が繰り広げられていた
という体でございます。
「これがスターウォーズか?」
とも思うのでございますが、
バックグラウンドでは確実にスターウォーズの世界を
構築しておりまして、
オタクファンが見ても納得の世界観。
シーズン1、シーズン2と
見ていてそれなりに面白いのでありますが
地味なレジスタンス活動が続き
映画のノリを期待している向きには
いささかしんどいかも知れません。
(ワタクシも途中しんどかった…)
3話に1話ぐらい「見せ場」のアクションがあり
それ以外はひたすら地味ー。
という印象でありましょうか。
そしてシーズン2後半。
ひたすら地味なまま終わってしまうかと思われた
のでありますが、むかえた第8話。
「惑星ゴーマン」で民衆が蜂起し、虐殺されるシーン。
ーこのシークエンスはスゴイ。
圧倒的によくできていて、ワタクシ感動いたしました。
スターウォーズなのに、
これほどリアルな民衆蜂起・虐殺シーンって
過去の歴史ドラマでもないだろうというぐらいの
出来の良さでございました。
(逆に言えば完全フィクションの「スターウォーズ」で
あったからできたのでありましょう)
そしてここから12話(ラスト)まで
怒濤のように突き進む面白さといったら
白眉でありまして、
今まで我慢して見てきた甲斐がある
ってぐらいのものであります。
てやんでチクショウ。
ラストは割とあっけないのでございますが
映画につながるように作られているので
続けて映画「ローグワン スターウォーズストーリー」
を見ればいいようになっております。
でワタクシも続けて「ローグワン」見ましたが
一つ問題がございまして、
この骨太な「キャシアン・アンドー」を
ずっと最後まで見てから「ローグワン」を見ると
「ローグワン」がアクションばっかりで
ガキっぽく見えてしまうのであります。
(まあ仕方ないか。)
他のシリーズともマッチしないであろう
異色のスターウォーズ「キャシアン・アンドー」。
夏休みではありますがお子さんには
おすすめいたしません。
ワタクシのように長らく「スターウォーズ」から
離れてしまっていた大人の方に
おすすめでございます。